2015年6月27日土曜日

クリオグロブリン血症



疑う機会がそこそこあるので、まとめてみます。

症状は以下の通り
・寒冷部位(耳朶など)の紫斑
・レイノー現象
・寒冷蕁麻疹
・先端(肢端)の出血性壊死
・凝固異常
・血管炎
・関節痛・
・神経学的所見
・肝脾腫
・糸球体腎炎

3つのタイプに分類されます。

Type 1
モノクローナルな免疫グロブリン増殖
皮膚の壊死や腎障害、神経障害など、血管を詰めるような悪さをする
原因疾患:多発性骨髄腫などの形質細胞系疾患、CMLなどリンパ増殖系疾患

Type 2
モノクローナルとポリクローナルが混ざっている
Type1ほど激しくはないがやはり血管を詰める
原因疾患:Type1にくわえ、関節リウマチ、SLE、シェーグレン症候群など

Type 3
ポリクローナル
触知可能な紫斑、レイノー現象など、関節炎や筋痛といった非特異的症状も。
原因疾患:自己免疫性疾患、ウイルス(HBV,HCV,EBV,CMVなど)、細菌(梅毒など)
クリオグロブリン検査で陰性となることもある。


いままで、クリオグロブリン血症の分類を意識したことがなかったのですが、
血液疾患によるものは、小血管の塞栓による重篤な症状が前面に出て、
ウイルスによるものは、関節炎など膠原病様な症状が出るのですね。

参考文献:Color atlas and synopsis of clinical dermatology