biomedical modelだけでは問題を解決できないなと思うケースに遭遇しているので
家庭医療の教科書(藤沼康樹先生の「赤本」)を使って
どんなアプローチがあるのか復習しようとおもいます。
BPS modelがもっとも有名かつ理解しやすいです。一応その他の方法も簡単にまとめてみました。
以下、ほぼすべて赤本の部分引用です。
・生物心理社会的アプローチ(BPS model; Bio-Psycho-Social model)
主訴=受診理由ではない。
そこにどのような患者の「決断」があったか、
その決断をした理由(不安、受診基準、抑うつ、ライフイベント、指示など)は何か。
そして、今後の「心配」について、見通しを伝える。
実際の生活や労働の中で支援を行っていく。
つまり、どの階層で問題を捉えるか、が問われる。
行うべきチェックポイントは以下の6つ。
1.患者の病いの物語(ナラティブ)と生活を取り巻く状況を明らかにする
積極的に病い体験とその意味を探る、そのために家族状況や心理社会的なデータを集める
2.生物心理社会的要因を統合する
病いにもラべリングをして、要素間の関連性を分かりやすくする
3.ケアを行う際に各種関係の重要性を確認する
患者の自律性を尊重しつつ、援助者にケアに参加してもらう。施設や制度のシステムも考慮する
4.医師が自分自身を知ること
5.どの領域に焦点を当ててとりむくかを決める
6.多次元的なケアを行う
・患者中心の医療
6つのコンポーネントよりなる
(最新版では4つになってたと記憶しているけど、旧来版のほうが自分にとってなじみが深いので)
1.疾患と病いの経験を明らかにする
2.患者を全人的にとらえる
3.共通基盤を形成する
4.予防と健康増進を行う
5.患者‐医師関係を強化する
6.現実的になる
・The Clinical Hand
Millerが2004年にFamily Medicine誌で発表したもの
・身体心理社会記号論的モデル(Somato-Psycho-Socio-Semiotic model)
BPS modelにSemiotic(記号論)、つまり考えや理解、受診理由、価値観などを加えたモデル
末期患者や神経変性疾患などに適応できるのではと個人的には考えている。
・家族志向性アプローチ
松下先生が翻訳された「家族志向のプライマリケア」を読んで非常に感銘しました。
患者は「家族という背景」をもっている、というメッセージが「家族の木」です。
・Narrative-Based Primary Care
6つのCでまとめられる対話の方法
Conversation, Curiosity, Circularity, Contexts, Co-creation, Caution
詳しいことは赤本を読みましょう。