2019年4月12日金曜日
ぶどう膜炎を初発症状とするリンパ腫はあるのか
我ながらニッチですね.
故あって調べてみました.
ぶどう膜炎を初発症状とするリンパ腫にはどうやら3パターンありそうです.
1.網膜硝子体リンパ腫などの眼内リンパ腫が,最初ぶどう膜炎のように見える
このケースシリーズ研究によると,網膜硝子体リンパ腫は初発から診断がつくまでに平均25カ月かかっており,ぶどう膜炎だとしてステロイドを使うことで腫瘍がマスクされてしまうこともあるようです.
2. DLBCLの初発症状がぶどう膜炎
やはりぶどう膜炎が起こって1-2年後に全身性のリンパ腫が発覚するパターンです.
(参考文献はこちら)
3. 中枢神経原発悪性リンパ腫の初発症状がぶどう膜炎
中枢神経原発悪性リンパ腫の3.5%でぶどう膜炎が初発症状だったとのことです.
脳外科の中では有名な話なのでしょうか.いろんなサイトで言及されていました.
(参考文献はこちら)
2017年5月22日月曜日
ミニレクチャー 眼周囲の蜂窩織炎
10分で調べ5分で発表するミニレクチャー
眼周囲の蜂窩織炎は2つに分けて考える.
・眼窩隔膜前蜂窩織炎
普通の蜂窩織炎
合併症なし,一般の治療で.
・眼窩蜂窩織炎
炎症が眼窩隔膜をのりこえて,眼内に波及.
「重篤な感染症」とみなすべき.
A. 眼球運動時の疼痛,眼球突出,眼筋麻痺,複視,視野障害,結膜浮腫は眼窩蜂窩織炎に特徴的.眼瞼の浮腫や発赤は鑑別点にならない.
Q. 眼窩蜂窩織炎の診断は?
A. 上記臨床所見に加え,CTが有効となりうる.眼科内軟部組織の濃度上昇や上顎洞粘膜の肥厚を見る
Q. 眼窩蜂窩織炎の治療は?
A. 嫌気性カバー+眼窩切開での排膿が必要なことも.眼科コンサルテーションを.
2016年5月24日火曜日
ドライアイについて(BMJ Clinical Review)
BMJ Clinical Reviewです。
ドライアイについて。こういうコモンな病態のレビューはとてもうれしいです。
BMJ 2016;353:12333
The management of dry eye
・有病率8-34%
・リスクファクター:女性、高齢、閉経後エストロゲン療法、パソコン仕事、コンタクト着用、ω-3脂肪酸低摂取(!)、眼手術、骨髄移植、C型肝炎、薬剤、ビタミンA欠乏
・大きく分けて2つ:房水欠乏型と蒸発型
・房水欠乏型はシェーグレン関連と非シェーグレン関連に分けて考える。薬剤が原因のことも。
・蒸発型の多くはマイボーム腺の機能不全。油膜が張れない。外因としてはアレルギー、局所薬剤、コンタクトなど。
・症状は目の違和感、羞明、涙目など。角膜表面の不可逆的障害をきたすことも。
・評価は以下の通り
・tear film break-up time(フルオレセイン染色をして、瞬きを我慢してもらい、涙膜が壊れるまでの時間を測る)、Schirmer試験、染色をして角膜・網膜の上皮を観察、マイボーム腺の評価
・Ocular Surface Disease Index(OSDI)が病勢とよく相関する。各項目を0点-4点で評価。足して30点以上なら重症。
OSDI
ここ一週間で以下の症状がありましたか
・羞明
・目がチカチカ
・痛い、かゆい
・目のかすみ
・見えにくい
ここ一週間で目の症状のせいで以下の行動がしづらいことはありましたか
・読書
・夜間の運転
・ATM
・テレビ
ここ一週間で以下の状況で目の違和感がありましたか
・風が強いとき
・乾燥しているとき
・空調がかかっているとき
・まずはこれまでどんな治療をして効果はどうだったかを尋ねる
・環境を整える。パソコンや乾燥はなるべく避ける
・目薬の保存剤が実は犯人である可能性を考える
・内服薬をチェックする:抗ヒスタミン薬、βブロッカー、エストロゲン、TCA、SSRI、レチノインは原因となりうる
・人工涙液や軟膏は効果がありそう。製品ごとの差はない。
・重症なら保存剤の入っていない人工涙液か夜間の軟膏を。
・軽症~中等度なら市販の目薬でもいいかも。
・1日に4回以上点眼するなら保存剤の入っていないものを
・点眼が難しい人向けの補助器具もある。
・以下の場合は眼科紹介を
・眼痛や羞明が強い、片目だけ著明に充血、視力低下:即日紹介
・4週間治療してもコントロールできない
・診断に専門家が必要
・視力が徐々に悪くなっている
・潰瘍をはじめとする角膜障害の徴候
・シェーグレン症候群、眼瞼異常など専門家の管理が必要な状態
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