2026年8月28日金曜日

personal continuityの測定法

 Sidaway-Lee K, Pereira Gray D, Fearn-Smith J, Buick A, Engamba S, Khan N, et al. Development of a novel GP continuity measurement for practices without personal lists. Br J Gen Pract. 2026 Apr 2;BJGP.2025.0624. doi:10.3399/BJGP.2025.0624. https://bjgp.org/content/early/2026/08/23/BJGP.2025.0624


背景

 GPによるケアの継続性を改善すべきであることは広く認識されている。そのためには、すべての診療所で利用可能な継続性の指標が必要である。しかし、これまでの指標には限界がある。

目的

 ケアの継続性を評価する、より優れた指標を開発し、既存の指標とその性能を比較すること。

研究デザイン・セッティング

 2つのGP診療所において、監査データを用いて1年間実施したパイロット研究。

方法

 修正版SLICC(modified St Leonard's Index of Continuity of Care:mSLICC)を開発し、毎月算出した。そして、St Leonard's Index of Continuity of Care(SLICC)、1年間のBice-Boxerman(BB)指標、およびUsual Provider of Care Index(UPC)と比較した。指標に含まれる患者および診療予約の割合を算出し、患者を年齢、3年間の診療予約回数、フレイルのカテゴリー別に分類した。

結果

 2つの診療所において、mSLICCには29,127件の診療予約のうち19,840件(68.1%)が含まれ、診療予約のある患者の平均65.2%(SD 6.4%)が対象となった。UPC/BBでは21,032件(72.2%)の診療予約と、診療予約のある9,924人の患者のうち4,096人(41.2%)が対象となった。

診療所Aでは、mSLICCは52.0%、SLICCは57.1%、平均UPCは0.63(95% CI 0.62–0.64)、平均BBは0.41(95% CI 0.40–0.43)であった。診療所Bでは、mSLICCは25.7%、SLICCは25.1%、平均UPCは0.50(95% CI 0.49–0.51)、平均BBは0.23(95% CI 0.22–0.25)であった。mSLICCはSLICCと強く相関していた(r=0.98、P<0.001)。

結論

 mSLICCは、ケアの継続性を毎月評価するための新しい指標である。BBやUPCと比較して限界が少なく、特定の担当GP(named GP)を必要としない。十分なITリソースがあれば、担当GPの個人リスト制(personal lists)を採用していない診療所でも、mSLICCを用いてケアの継続性を測定することが可能である。


感想

新たな継続性の指標を提案している論文です。

SLICCは、特定のかかりつけ医との継続性を測る指標です。ある患者がGPを10回受診したとして、何回「特定の個人のかかりつけ医」を受診したかを算出します。非常にわかりやすいですが、担当GP制がない診療所では使いにくいという課題がありました。

mSLICCは、過去2年間に最も多く診察したGPを実質的な担当GPとみなすことで、この課題を解決しようとしました。そして、相関がかなり高かったということで筆者たちはこの測定が妥当であると主張しています。

なお、UPCは、患者の受診のうち、最も多く診察した医師を受診した割合を示す指標で、BBは、患者の全受診回数と、各医師への受診回数の分布から継続性を評価する指標です。


研究を行った2つの診療所は担当GP制であり、それならSLICCとmSLICCがほぼ一致するのは当たり前では?という気がしました。まあでも、personal continuityを測定しようと思ったらいずれにせよこういう算出法になるわけで、研究対象を広げることができるという意味で価値があるのだと思います。家庭医療の基礎研究ですね。ほかのcontinuityについては、それぞれ測定指標があるのだろうと思います。