Huijgens FL, Henselmans I, Huisinga MJ, Diepenhorst GMP, van Laarhoven HWM, Oerlemans AJM, et al. Clinicians’ perception and management of cancer patients’ decision making burden. J Gen Intern Med. 2026 Aug 26. doi:10.1007/s11606-026-10737-4. https://link.springer.com/article/10.1007/s11606-026-10737-4
背景
がん診療において、患者を治療方針の意思決定に参加させることが、ますます求められている。しかし、そのような参加を負担に感じる患者もいる。共同意思決定において、医療者が患者の意思決定に伴う負担をどのように認識し、対応しているのかは明らかになっていない。
目的
意思決定への参加によって患者が感じる負担について、腫瘍診療に携わる医療者がどのような経験をしているのかを明らかにすること。
研究デザイン
半構造化された詳細な質的インタビュー研究。
対象者・方法
乳がんまたは前立腺がん患者に対して根治的治療の選択肢について話し合う医療者を目的抽出し、インタビューを実施した。質問では、医療者が患者の負担をどのように察知し、その原因をどのように捉え、どのように対応しているのかを尋ねた。インタビューは録音し、逐語録を作成した。
分析
2名の研究者が帰納的にインタビュー内容をコード化し、テーマ分析を行った。
主な結果
医療者20名から、患者が負担を感じていることを示す複数の指標が語られた。例えば、患者からの「先生だったらどうしますか?」という質問、意思決定において非常に積極的または消極的な役割をとること、意思決定を長引かせたり急いだりすることなどであった。医療者は、患者の負担の原因として、不確実性、患者の期待と実際の意思決定との不一致、診断後の感情的な脆弱性を挙げた。医療者は、意思決定の難しさを正常なものとして受け止めるよう伝える、考える時間を提供するなど、患者の負担を軽減するためのさまざまな方略を用いていた。一方、治療について推奨を示すことについては、医療者間で対応が異なっていた。患者の不確実性や意思決定に伴う苦痛を軽減するために治療を推奨する医療者がいる一方で、SDMとは患者自身が選択することであると考え、明確な助言を控える医療者もいた。
結論
医療者が患者の意思決定に伴う負担を認識した際の対応には、大きなばらつきがみられた。患者の自律性を尊重することと、患者に害や過度の負担を与えないこととの緊張関係をどのように調整するかについて医療者間で議論することは、SDMにおける患者の負担への対応について、より一貫した方針を形成することにつながる可能性がある。
感想
これはこれでいい研究だと思いますが、やはり患者サイドの話を聞かないと知見としては物足りないと思ってしまいます。意思決定にまつわる患者負担を考えよ、というのはその通りだと思いました。