2015年4月9日木曜日

NEJM Case11-2015



NEJM Case Recordです。
今週は簡単ですね。本文はこちら

Case 11-2015
A 28-Year-Old Woman with Headache, Fever, and a Rash

患者は28歳女性。
当日朝起きたら、頭全体がとても痛い。体動で増悪し嘔気嘔吐も。
いったん寝て数時間後起きたら全身の筋痛あり。体温37.7℃。体幹と右上肢に紫斑あり。

というわけで、髄膜炎を疑う徴候がありますね。
鑑別としては、TTP/HUSや血管炎でしょうか。
紫斑がでる髄膜炎は髄膜炎菌によるものが有名です。この後、急激に悪化していく可能性があります。実際にこの患者は髄膜炎菌性髄膜炎で、入院後急激に悪化していきます。

同様の経過をたどっている症例が、2014年12月のMayo Clinic Proceedings Residents' Clinicにあります。記事はこちら


この患者は9歳の時にも髄膜炎にかかっています。
そして、髄膜炎菌の感染症になりやすい免疫不全といえば、補体欠損です。
補体欠損症だと感染した時の症状があまり激しくなく、またすぐ治るのだそうです。へぇー。

検査の結果、原発性C8欠損症が判明したそうです。


~Clinical Pearls~

髄膜炎+皮疹(紫斑)は超危険。いまは平気そうでも急激に悪化するかも。

髄膜炎菌曝露者へのリファンピン予防投与も忘れずに。