2015年4月26日日曜日

月経困難症について(AFP)



今週のNEJMのClinical Practiceが子宮筋腫についてだったので
いまいち理解しきれてない月経困難症について調べてみました。

Ameican Family Physician(AFP)に載ったレビューをまとめます。

Diagnosis and Initial Management of Dysmenorrhea
Am Fam Physician. 2014 Mar 1;89(5):341-346.



・原因疾患があれば続発性、なければ原発性

・典型的な原発性は、初経後6-12か月で発症し、有病率のピークは10代後半~20代前半
・原発性の特徴的な症状は、下腹部痛もしくは骨盤痛。背中や下肢に放散することもある。
・疼痛は月経開始時に起き、8-72時間持続。
・腰痛、頭痛、下痢、疲労感、嘔気嘔吐を伴うこともある。

既往のない中年以降の月経困難症は続発性を考える。
・続発性の付随症状:月経過多、月経間期の出血、痛みが周期的でない、性交時疼痛、性交後の出血、不妊

・思春期~若年の月経困難症の約10%が続発性。
・続発性の最多原因は子宮内膜症。25-29歳で多い。
・一親等における子宮内膜症の家族歴があれば、患者は続発性の可能性が強くなる。
疼痛の時機や程度の変化や、もしくは性交時痛があれば子宮内膜症を疑う。
・子宮圧痛、付属器圧痛、頸部他動時痛のうち1つ以上あればPIDを疑う。

・性交歴のある思春期患者には内診を行うべきである。全員に行う必要はない。
・子宮内膜症に対する内診:感度76%、特異度74%、PPV 67%、NPV 81%。
・続発性を疑えば経膣エコーを行うべきである。
・腸管子宮内膜症に対する経膣エコー:感度91%、特異度98%、LR+ 30, LR- 0.09

・原発性にはNSAIDsを強く推奨。月経開始予定日の1~2日前から始めて、2~3日服用を続ける。
・原発性にはピルも勧められる。しかしエビデンスは限定的。
・原発性では骨盤を温めるのもいいかも。
・子宮内膜症にはピルが第一選択。