2015年5月4日月曜日

乳幼児突然死症候群を防ぐには(BMJ)



BMJのClinical Reviewで、乳幼児突然死症候群(SIDS)について載っていました。


Sudden infant death syndrome and advice for safe sleeping
BMJ 2015;350:h1989


SIDSは、以下の3つが揃ってしまうと起きてしまうのではと考えられています。

・1歳以下であること
・前期出産や母体の喫煙などによる、もともとの弱さ
・うつ伏せ、うつ熱などの外部要因



危険因子について1つずつ見ていきます。

・うつぶせ寝
RR 3.5~9.3と強い危険因子です。
側臥位もあぶないそうです(オッズ比1.4)。いつの間にかうつぶせになってしまうからです。

・妊娠中/後の喫煙
妊娠中の喫煙はリスクを5倍にします。

・前期出産

・頭まで布団をかぶる
前日の睡眠時に頭まで布団をかぶっていた乳幼児の割合は、SIDS群で24.6%、コントロール群では3.2%でした。
寝具を柔らかい素材にするのも危険です。SIDSのリスクが5倍になります。枕は必要ありません。
ブランケットは必要ありませんが、もしかける場合は、絶対に脇の上まで来ないようにします。幼児の足をベッド柵まで下げて、ブランケットは3つ折りにしましょう。
とにかく、ベッドの中に柔らかいものやおもちゃは入れないようにしましょう。

乳幼児用の寝袋を使ってみるのもいいかもしれないそうです。
(画像はhttp://www.babyinabag.com/より引用)



一方、SIDSを防ぐ因子は以下の通りです。

・母乳哺育
リスクが45%~73%下がるそうです。

・一緒の部屋で寝る
親と一緒の部屋で寝ることで、リスクは約50%下がります。
なお、少なくとも生後6か月までは、一緒の布団で寝るのは避けたほうがいいみたいです。
ソファーで寝かせるのはもってのほかです。


SIDSに限らず、乳幼児死亡が起こると、次の子が同じ原因で亡くなってしまう相対リスクは9.1倍、違う原因でなくなってしまう相対リスクは1.6倍になります。
当然、親は心配なわけですが、無呼吸モニターなどのデバイスでSIDSを予防できるというエビデンスは欠けています。それを踏まえたうえで、医学、技術面のみならず心理的サポートが求められます。