2015年5月27日水曜日

急性肝炎/achromobacter/serratia




・急性肝炎が疑われて、HBsAg(-), HCVAb(-)ならB型肝炎、C型肝炎を否定してよいか。

HBsAgは重症肝炎例で初診時にすでに陰性化していることがある。IgM-HBcAbを測定する必要がある。(日本医師会雑誌第143巻特別号(2)S402より)
HCVAbは感染から陽性化するまでに長くて12週間かかる。HCVRNAは感染後一週間以内に検出できるようになる。(Blueprints Pediatrics sixth edition p165より)


・喀痰培養にてachromobacter xylosoxidansが検出されたらどうするか

グラム陰性桿菌であり、病院の水道水、湿潤環境にも広く存在する。
健常人の気道や消化管に常在する。
緑膿菌やアシネトバクターなど他のグラム陰性桿菌と同じように、水、湿潤環境を介して感染する。
多くの消毒薬に耐性があるため、加湿器や石鹸、注射による院内感染の原因となりうる。
静脈カテからの菌血症が最も多い。免疫低下患者では呼吸器感染、尿路感染などをおこす。
(臨床細菌学ガイドより)


・カテーテル尿からSerratia marcescensが検出されたらどうするか

セラチアは院内感染の原因として有名である。
入院中の免疫低下患者に日和見感染症を起こす。感染源の多くはカテーテルや呼吸器である。
無症候であれば治療は必要ないが、菌血症をおこすリスクが高く、注意が必要である。
スタッフ間でセラチア検出患者の情報を共有し、水平感染予防を徹底するといいのではと考える。
サンフォードによれば、第一選択はPIPC/TAZ, CPFX, LVFX, GM.
(臨床細菌学ガイドより)