感染症治療の原則は
本当に感染症か→どんな患者のどこの感染か→起因菌は何か
であると心得ております。
しかし、研修医として実際に抗菌薬を選択するとなると、不勉強が露呈します。
研修医として使用する機会の多い点滴抗菌薬について、簡潔にまとめてみました。
病棟で、片手にこのメモを、もう一方の手にサンフォードを携えて、乗り切りたいと思います。
ユナシン(スルバクタム・アンピシリン)ABPC/SBT
グラム陽性菌に加え、グラム陰性菌や嫌気性菌に使う。
誤嚥性肺炎で◎。腸球菌の尿路感染も。
セファメジン(セファゾリン)CEZ
腸球菌以外のグラム陽性菌に効く。髄膜炎には使えない。グラム陰性菌は効かない
軟部組織感染症に◎
セフメタゾール CMZ
グラム陰性菌+嫌気性菌に効く。腹部の感染症に◎。腸球菌以外の尿路感染にも。
モダシン(セフタジジム)CAZ
緑膿菌を疑ったとき(=糖尿病など免疫抑制、長期入院など)にのみ使う
セフェム系だがグラム陽性菌には効かない
ロセフィン(セフトリアキソン)CTRX
腸球菌以外のグラム陽性菌+腸内細菌・インフルエンザ桿菌・モラキセラ+SPACE
肺炎球菌髄膜炎症などを除き、グラム陽性菌のみターゲットならCEZを使う。
ピペラシリン PIPC
緑膿菌を疑ったとき(=糖尿病など免疫抑制、長期入院など)にのみ使う
ダラシン(クリンダマイシン)CLDM
横隔膜より上の嫌気性菌につかう。偽膜性腸炎に注意。
ミノサイクリン MINO
非定型肺炎に◎
バンコマイシン VCM
フィニバックス(ドリペネム)DRPM
少なくとも小病院の研修医レベルでは、出番はまずないと思っていた方が良い。