Jasaui Y, Mortazhejri S, Ruzycki SM, et al. Drivers of unnecessary diagnostic imaging for uncomplicated low back pain among family physicians: a theory-informed qualitative study, Fam Pract. 43(3). June 2026, cmag029, https://doi.org/10.1093/fampra/cmag029
背景
主要な学会のガイドラインの大半は、重篤な疾患を示唆する症状を伴わない単純性腰痛(LBP)に対する画像診断は患者に利益をもたらさないため、推奨していない。にもかかわらず、単純性腰痛に対する画像診断は依然として広く行われており、過剰診断、過剰治療、そして医療費の増加につながっている。
目的
この質的研究の目的は、フレームワークを用いて、当該地域における家庭医が合併症のない腰痛に対して画像診断を指示する際の意思決定に影響を与える要因を厳密に理解することであった。
デザインとセッティング
この質的研究では、理論的ドメインフレームワーク(Theoretical Domains Framework:TDF)を用いて、カナダのアルバータ州の家庭医に対する半構造化面接を設計・分析し、合併症のない腰痛に対する画像診断の要因を調査した。
方法
アルバータ州の家庭医は、州の医師向けニュースレターを通じて、半構造化された個別インタビューへの参加者として募集された。研究チームは演繹的コーディングの後、コーディングされたテキストの各セクションについて信念ステートメントを作成し、各信念ステートメントのグループを説明する帰納的テーマを作成した。私たちは、事前に定義された基準を使用して、合併症のない腰痛に対する画像診断の指示における重要な障壁または促進要因となることが予想されるテーマを特定した。
結果
13回のインタビュー後、データ飽和が達成された。合併症のない腰痛に対する不必要な画像診断に関連する主要なテーマは5つあった。結果に関する信念、スキル、環境的状況とリソース、社会的影響、そして強化である。参加者は、重要な診断を見落としていないことを確認するために画像診断を利用していた。参加者は患者との治療関係を維持する必要性も考慮していたが、ほとんどの参加者は、不必要な画像診断を用いなくてもそれが可能だと感じていた。
結論
合併症のない腰痛における不必要な画像診断を減らすための介入策は、単に推奨事項を提供するだけでなく、医師が深刻な診断を見落とすことへの不安に対処するべきである。
感想
TDFは、人の行動に影響を与える要因を包括的に分析する14のドメインからなるフレームワークとのことです。このフレームワークを用いて分析したところ、14のうちの5つのドメイン(結果に示した通り。強化(reinforcement)とは、行動の継続や変化を増強または維持するフィードバックや結果のことです)が今回のRQの説明に適しているとなった、という流れです。結果はまあそうだよなという感じで、重大な病気を見落としたくないし、患者も検査を希望しているし、検査できちゃうし…ということで不必要な画像検査が起こってしまうというのは納得できます。