2016年1月20日水曜日

アシクロビル脳症/IgA血管炎による浮腫



出会った疾患を復習です。


アシクロビルの副作用は腎障害が有名です。
点滴の場合は、事前の輸液にくわえ、1-2時間かけてゆっくり投与することが必要です。

ときに中枢神経障害を招きます。
興奮、振戦、譫妄、幻覚、ミオクローヌスなどが出現します。
最初見たときは、アルコールの振戦譫妄かと思いました。

高齢者、腎障害患者で注意です。
そして何より適正使用です。

参照:UpToDate Acyclovir: An overview


IgA血管炎は、以前はアレルギー性紫斑病とかヘノッホシェーンライン紫斑病とか呼ばれていました。
紫斑はもちろん、関節痛を起こします。関節炎ではないため他動時痛はあまりないです。

特に3歳以下の小児に起こると、限局性の浮腫を起こすことがあります。
自験例では、6歳男児の両足関節痛と両下腿浮腫、片側前腕浮腫で来院し、経過で体幹背側の限局性浮腫が出現したケースがあります。

腹痛は有名ですが、患者の半数で見られます。便鮮血が要請になるのが56%ですが、大量出血は稀です。
消化器症状は紫斑出現後8日以内に起こるのが典型的ですが、数か月後に起こることもあり長期フォローが必要です。15-35%で紫斑出現前に起こります。ピットフォールですね。

腎障害は年長児や成人例で多いです。血尿が最多です。

他の症状としては、陰嚢痛/腫大、中枢神経症状(頭痛、けいれん、脳症、失調など)、末梢神経障害、ぶどう膜炎などがあるそうです。初めて知りました。

急性多関節痛でIgA血管炎を想起した時の鑑別は、反応性関節炎、一過性滑膜炎、若年性特発性関節炎などですかね。

参照:UpToDate Henoch-Schönlein purpura (immunoglobulin A vasculitis): Clinical manifestations and diagnosis