2016年1月13日水曜日
Panayiotopoulos症候群について
疑う機会があったので、しっかり勉強します。
1-14歳で発症します。平均年齢は5歳です。
自律神経てんかんです。てんかん発作が自律神経症状になることが特徴的です。
具体的には、嘔吐(70-85%)、悪心、retching(吐きそうになる)の症状が現れます。
他の自律神経症状は、顔面蒼白、縮瞳、唾液増加、咳嗽などです。
突然の脱力発作も半数の患者でみられます。
発作の多くで、意識を徐々に失っていき、頭位や眼位の偏位がみられます。
嘔吐、嘔気→眼球偏位と意識障害が出現→片側けいれん
というタイムコースが典型的みたいです。
夜間に起こることが多く、5分以上続きます。
発作のうち1/3~1/2は、30分以上続く、非痙攣性てんかん重責状態になります。
これを「てんかん」だと認識するのが難しいみたいで、脳炎・脳症とみなされてしまうことが多いです。
診断は脳波で行います。
非発作時でも75%のケースで後頭部のスパイクが見られます。
予後は良好で、たいていは2-3年で自然治癒します。
小児の発作的嘔吐の鑑別としてPanayiotopoulos症候群を挙げて
嘔吐の原因を胃腸炎と簡単に決めてしまわないようにしたいです。
参考文献
UpToDate Benign focal epilepsies of childhood
Panayiotopoulos症候群 -underdiagnosed and underrecognized epileptic syndrome-