最近は、第2版が出た総合診療医学の赤本・青本を読んだり
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BMJ Openより、女性の健康問題についての記事です。
Nagai K, Hayashi K, Yasui T, et al.
Disease history and risk of comorbidity in women’s life course: a comprehensive analysis of
the Japan Nurses’ Health Study baseline survey.
BMJ Open 2015;5:e006360. doi:10.1136/bmjopen-2014-006360
日本の女性看護師49927人を対象にした前向きコホート研究です。
まずは女性によくある疾患の罹患年齢のピークについて。
子宮内膜症
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36.0
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貧血
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36.0
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偏頭痛
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44.8
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子宮筋腫
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44.8
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子宮頸がん
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44.8
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甲状腺疾患
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49.2
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乳癌
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50.0
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胆石
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52.2
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くも膜下出血
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55.1
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TIA
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55.1
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子宮体がん
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55.9
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糖尿病
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57.3
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胃癌
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57.3
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脳梗塞
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58.8
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卵巣癌
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63.9
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大腸癌
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≥65
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狭心症
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≥65
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骨粗鬆症
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≥65
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高血圧
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≥65
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脂質異常症
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≥65
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45歳以下でピークが来る疾患(下図A)をearly-onset diseasesと呼ぶことにします。
45-54歳、いわゆる更年期でピークになる疾患(下図B)は甲状腺疾患、乳癌、胆石です。
残りは、閉経後に発症のピークが来ます。
そして、early-onset diseasesである子宮内膜症、貧血、偏頭痛、子宮筋腫について、他疾患との関連をみるとこんな感じ。
early-onset diseases同士では有意に相関がみられます。
そして、early-onset diseases以外との相関は、以下で確認されました。
子宮内膜症:卵巣癌 (2.16-6.19)、子宮体癌 (1.14-5.04)、脳梗塞 (1.15-3.85)
貧血:胃癌 (1.68-5.08)
偏頭痛:TIA (2.29-4.09)、骨粗鬆症 (1.71-2.62)、脳梗塞 (1.26-3.30)、狭心症 (1.49-2.67)
子宮筋腫:大腸癌 (1.48-3.61)
まとめると以下のようになります。
・子宮内膜症、貧血、偏頭痛、子宮筋腫は女性で45歳以下に発症ピークがあるearly-onset diseasesである。
・early-onset diseasesのどれか一つがあると、他のearly-onset diseasesのリスクが上がる。
・early-onset diseasesに罹患した女性は、その後特定の疾患に罹患するリスクが上がる。
この論文では、early-onset diseasesの病歴をしっかり取ることで、その後に罹患する可能性が高い疾患に備えることができるのでは、と結論されていました。