2016年7月8日金曜日

壊疽性膿皮症について


皮膚所見から一発診断する機会があったので、こういう時こそ復習のタイミングです。
急性発症の境界明瞭な有痛性深ぼれ潰瘍で底が壊死していたら壊疽性膿皮症だと理解しています。

背景疾患があることで有名ですが、半数は特発性なのだとか。知らなかったです。
炎症性腸疾患のほかにも、憩室炎、パラプロテイン血症、白血病、活動性慢性肝炎、ベーチェット病が背景疾患となります。血管炎も得蘇生膿皮症を続発しえます。
針刺し、虫刺され、生検などの微小外傷が契機となることもあります。

水疱を形成することも多く、その時は血性の膿疱となります。
周囲が赤くハローを形成します、
全身状態は見た目ぐったりしていることが多いみたいです。

無治療だと数カ月から数年の有病期間です。自然に治癒することもあるみたいですが。
背景疾患の治療にくわえ、ステロイド全身投与などを行います。
壊死しているからといって不用意にデブリすると創部がどんどん広がっていきます。

参考:Fitzpatrick's color atlas and synopsis of clinical dermatology pp.116-119