2016年7月3日日曜日

QT延長と関連する薬剤


一カ月ぶりです。
ブログ再始動です。

いかなる主訴、病態を見ても
「薬剤性」を常に鑑別に上げるようにしています。

BMJ Clinical ReviewでQT延長が扱われていたので勉強しましょう。


BMJ 2016;353:i2732
Clinical Review From Drug and Therapeutics Bulletin
QT interval and drug therapy


薬剤性のQT延長とそれによるTdPは非常にまれであるとのことです。
しかし、死に至る状態ですので、やはりしっかり押さえておく必要があります。

よく見る薬剤を抽出してあげます。
・抗不整脈薬:アミオダロン(アンカロン)、ジソピラミド(リスモダン)
・抗菌薬:マクロライド(クラリス、ジスロマックなど)、キノロン(クラビット、アベロックスなど)、アゾール
・消化器:ドンペリドン(ナウゼリン)、オンダンセトロン(ゾフラン)
・抗ヒ薬:ヒドロキシジン(アタラックス)
・抗精神病薬
・抗うつ薬

ナウゼリンやアタラックスは、恥ずかしながらQT延長のリスクという認識を持っていませんでした。

こういう患者には注意です
・女性、高齢
・電解質異常(低K血症など)
・肝障害、腎障害
・心不全、左室肥大、心筋梗塞、徐脈など
・利尿薬、ジゴキシン投与中


心房細動を伴う心不全で、ジゴキシンとアンカロンが出されてて、利尿薬で低K血症になっている高齢女性が、尿路感染症で処方されたクラビットを飲んでいて、心肺停止というのがthe worst scenarioでしょうか。気を付けましょう。