糖尿病があり定期通院を中断していた患者さんに出会う機会が相次いだので,Clinical Jazzで振り返りました.
Clinical Jazzについて,詳細はこちらを.
(日本プライマリ・ケア連合学会誌 33:322-325)
そしてこの本は必携です.
ブログでは「文献検索」のところだけを抜き出します.
文献1. 2型糖尿病患者における通院中断に関連する心理社会的要因
対象:糖尿病専門クリニックを1年以上通院している患者686名
うち有効回答者は350名.
そのなかで25人が1年以上の通院中断者であった.
中断者は平均年齢が低く・糖尿病歴が短かったので,その2因子で マッチング(中断者1人-継続者3人) を行った結果,中断者は以下の要素を持っている割合が多かった.
・自覚症状がある
・結果期待が低い
・体に気を配らず, 体重や血糖値を意識していない
・職場での配慮や病気に対する理解や支援者がいない
・ 趣味など生活全般が悪くなっている
結論:糖尿病患者の意識に関する教育のみならず,社会的支援環境整備のための対策が必要である.
対象:かつて通院を中断し,現在は通院している2型糖尿病患者15名
エスノグラフィーで質的分析を行った
結論:通院再開は,通院中断を「後ろめたさ」,通院再開を「きっかけに依るひとつの出来事から始まるやり直し」と意味づける体験である
通院再開が「きっかけに依るひとつの出来事から始まるやり直し」と意味づけられる
というのが非常にしっくりきました.なるほどですよね.
こういう発見があるので質的研究は面白いです.