2016年4月10日日曜日
リンパ節腫大の稀な原因
全身性リンパ節腫大の鑑別に苦慮しているところです。
基本的な診断方略、鑑別診断は知っているつもりなのですが
リンパ節腫大の稀な原因について網羅的にまとめます。
UpToDateにはリンパ節腫大の稀な原因として、菊地病、川崎病、アミロイドーシスとあわせて以下の疾患が挙げられています。
Castleman病
教科書で読んだことはありますが、いまいち病状がつかみきれていないです。
multicentric Castleman病では、全身のリンパ節腫脹、発熱、皮疹、体重減少などなど全身性の症状が現れます。腹腔、胸腔のリンパ節腫大があれば疑う、という感じでしょうか。
HIV,HHV-8感染の関連が示唆されています。
血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫(AITL)
全身リンパ節腫大、発熱、肝脾腫、溶血性貧血、ポリクローナルガンマグロブリン血症などを呈します。もしかしたら好酸球増加がヒントになるかもしれません。
炎症性偽腫瘍
IgG4との関連が言われています。肺に境界明瞭な腫瘤影を呈することもあります。
木村病
頭頚部のリンパ節腫脹、皮下巨大結節、好酸球増加を呈します。
Progressive transformation of germinal centers (PTGC)
症状のない、持続的あるいは再発するリンパ節腫脹で、頭頸部が多いそうです。男性により起こりやすいです。前癌病変というわけではなさそうです。
Rosai-Dorfman症候群
sinus histiocytosis with massive lymphadenopathyともいいます。頸部リンパ節に組織球が集まって、無痛性巨大腫脹をきたします。骨、肺、皮膚などリンパ節以外も侵食します。self-limitedですが、溶血性貧血をきたすこともあります。
UpToDate: Evaluation of peripheral lymphadenopathy in adults