2015年11月16日月曜日
酸化マグネシウム製剤について
酸化マグネシウム製剤による高マグネシウム血症が最近トピックになっています。
今年10月に再度の注意喚起を促す文書もだされました。
https://www.pmda.go.jp/files/000207871.pdf
UpToDateによれば、血中濃度2-2.5mEq/lで低血圧と徐脈が出現、
2-3mEq/lで深部腱反射減弱が生じるとあります。
7.5mEq/lを超えると完全房室ブロックが起こる可能性があるともあります。
腎不全患者が高リスク群であるとされていますが、
活性化ビタミンD製剤との併用も、腸管や腎臓でのマグネシウム吸収が亢進するため、高マグネシウム血症を引き起こす危険性を高くします。
また、飲み合わせで注意すべきものとしては、
カルシウム製剤や大量の乳製品との併用があります。
ミルク・アルカリ症候群は
①高カルシウム血症、②腎機能障害、③代謝性アルカローシスを3徴候とする病態です。
歴史的には胃潰瘍の治療として牛乳と重炭酸ナトリウムを同時に服用することで生じていましたが
骨粗鬆症薬の増加やポリファーマシーにより
新たに問題になるようになりました。
(古くて新しいミルク・アルカリ症候群 第6回日本プライマリケア連合学会学術大会)
加えて、ビスフォスフォネート、テトラサイクリン、ニューキノロン、鉄剤など、
同時服用により薬剤の吸収に影響を及ぼす薬剤も多いです。
レボドパ・カルビドパ製剤との飲み合わせについては、以前記事にまとめました。
レボドパ・カルビドパと酸化マグネシウムの併用