2015年11月19日木曜日

鉄剤の副作用



嘔気、心窩部痛、黒色便で来院して
出血性胃潰瘍を疑ったものの結局はフェロミアの副作用と判明したケースがありました。

鉄剤も頻用されるクスリなだけに、副作用をまとめておきます。
ぱっと思いつくのは、消化管症状(腹痛、腹部違和感、嘔気など)です。
小児の鉄剤誤嚥で吐血+代謝性アシドーシスというケースを以前知った記憶があります。


フェロミアの添付文書から副作用を拾っていくと
悪心・嘔吐が最も多く5%以上。
他の消化器症状としては、上腹部不快感、腹痛、下痢、便秘、食思不振、胸やけ。
肝障害もおきることがあり、AST, ALT, ALPの上昇。
あとは稀ながら頭痛、めまい、倦怠感が起こることもある。
発疹、掻痒感などは過敏症の所見。投与を中止する。

Mayo Clinicの患者向けサイトでは、よくみられる副作用として上記の他に
背部痛などの筋肉痛、胸痛、悪心、失神、頻脈、発汗を伴う発熱、紅潮、手足のしびれ、蕁麻疹、口・喉の浮腫、呼吸困難
が挙げられています。


上述した鉄中毒については、メルクマニュアルの記述が分かりやすかったです。
UpToDateも似た様な記述でした。



薬の飲み合わせも注意です。
甲状腺ホルモンとの飲み合わせについては以前の記事にも書いてあります。
他には、キノロン、テトラサイクリン、制酸剤が注意です。