2021年3月11日木曜日

multimorbodity患者に対するBPSの枠組み:SHERPAモデル

Swancutt DR, Jack E, Neve HA, Tredinnick-Rowe J, Axford N, Byng R. GP trainee responses to using SHERPA for multimorbidity consultations. Educ Prim Care. 2021 Mar 4:1-8. doi: 10.1080/14739879.2021.1888662. Epub ahead of print. PMID: 33657967.

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/14739879.2021.1888662?af=R


英国のGP専攻医は、患者がどうして「今日」診察を受けに来たのかを聞き出す診察モデルを教えられている。このアプローチでは、ますます数が増えているmultimorbidity患者の重要な問題を見逃すことが多い。私たちは、この問題を解決するために、multimorbidityの患者を診察するための患者中心の生物心理社会的枠組みであるSHERPAモデルを開発した。我々は、SHERPAを研修に組み込んだ際のGP専攻医の反応を調べることを目的とした。

研究デザインは質的研究で、参加者は英国のある研修地で研修を受けているGP専攻医である。専攻医は、対話型のワークショップを通じてSHERPAモデルを紹介された。質的データは16名の参加者から、4時間の指導的観察、24枚のフィードバックテンプレート、6回のSHERPAの実臨床への適応、8回の一対一のインタビューを通じて収集された。データは文字おこしされ、フレームワークアプローチを用いて、専攻医の学習とモデルの適用に焦点を当てて体系的に分析された。

その結果、すべての参加者がティーチングセッションに積極的に参加し、自身の経験から観察事項を取り入れ、特に複雑なコンサルテーションについて考察していることがわかった。参加者の半数は、SHERPAを患者(特に再診者)にうまく適用していた。このアプローチの障害となったのは、適切な患者の選択、時間的なプレッシャー、モデルの使用に慣れていないこと、SHERPAを複雑な状況での意思決定を共有するために不可欠なものではなく「付加的なもの」と考えていることであった。SHERPAモデルは、GP専攻医が、関係を築いた患者に対して役立つと考えていた。専攻医がSHERPAの経験を振り返るように早期にこのモデルを導入し指導医から定期的なサポートを受けられるようにすることは、この方法を使用する自信を高める可能性がある。



感想

実用的なモデルだと思います.初出はLancetの2018年correspondenceですね.https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)31371-0/fulltext

アプローチの障害について分析しているのが,実際に応用する際にとても参考になります.