2021年3月15日月曜日

男性の下部尿路症状:タムスロシン出しておしまい?

 Albarqouni L, Sanders S, Clark J, Tikkinen KAO, Glasziou P. Self-Management for Men With Lower Urinary Tract Symptoms: A Systematic Review and Meta-Analysis. Ann Fam Med. 2021 Mar-Apr;19(2):157-167. doi: 10.1370/afm.2609. PMID: 33685877; PMCID: PMC7939720.


目的 

下部尿路症状は,高齢男性に非常によく見られる症状である。これらの症状に対する自己管理介入の効果を評価するために,システマティックレビューとメタアナリシスを行った。


方法 

下部尿路症状を有する男性を対象とした自己管理介入(単独または薬物療法との併用)の効果を通常のケアまたは薬物療法単独と比較した無作為化対照試験を対象とした。2人の独立した審査員が、検索された論文をスクリーニングし、データを抽出し、含まれる研究のバイアスのリスクを評価した。主要評価項目は下部尿路症状の重症度であった。データが入手可能な場合は、介入方法間の平均差(MD)を算出した。


結果 

1,006人の成人男性を対象とした8つの研究に基づいて分析を行った。これらの研究のうち7件は,7つのバイアスの領域のうち2つの領域で高リスクと判断された。自己管理介入の内容は研究ごとに異なっていた。6ヵ月後の35点国際前立腺症状スコアの臨床的に重要な低下は、通常のケアと比較して自己管理介入が有利であった(MD = -7.4; 95% CI, -8.8 to -6.1; 2件の研究)。自己管理によるスコアの低下は、6~12週間後の薬物療法によるスコアの低下と同様であった(MD = 0.0; 95% CI, -2.0 to 2.0; 3件の研究)。自己管理を薬物療法に追加すると、6週間後の追加効果は小さくなった(MD = -2.3; 95% CI, -4.1 to -0.5; 1研究)。


結論 

男性の下部尿路症状の治療における自己管理の有効性について、中程度の質のエビデンス(推定値に合理的な確実性があることを示唆)が得られた。したがって、この患者集団には自己管理の介入を行うことを推奨する。


感想

セルフマネジメントの具体例は,症状と疾患の教育,安心させること,夕方以降の飲水制限,カフェインとアルコールの制限,膀胱訓練,便秘解消などでした.いままで男性の下部尿路症状はα-blockerだしておしまい(効果不良なら5α還元酵素阻害薬)だったので,セルフマネジメントの指導ができるようにするべきですね.