マニアックな主訴は素振りが大事です.
いつか出会う時のために練習です.
当然,第一鑑別は精巣捻転です.
精巣垂捻転や精巣炎,精巣上体炎は容易に想起できます.出会う頻度も高いです.
虫垂炎の放散痛も有名ではあります.まだ出会ったことはありません.
動脈炎,特に結節性多発動脈炎で,精巣の炎症が起こることがあります.
血管炎を疑う患者には,ROSの一環として聴取するようにしています.
陰部大腿神経による放散で,腹部大動脈瘤が隠れていた,というのがworst scenarioです.
ざっとまとめると,急性の陰嚢痛で捻転や精巣炎ではない原因のリストは以下の通りです.
あまりに稀なものまでリストに入れると覚えられなくなるので,こんなものでしょう.
・結節性多発動脈炎
・虫垂炎(特に盲腸後)
・腹部大動脈瘤
・S1神経根症
・尿路結石
また,慢性睾丸痛chronic orchialgiaという疾患概念があるようです.
Cleveland clinicの分かりやすい患者胸のパンフレットがあったので参考にしてください.
睾丸痛が前面に出ない場合,慢性的な下腹部痛で来院するかもしれませんね.
いままで知らなかったので,しっかり鑑別に挙げるようにしたいです.