2019年9月2日月曜日
症例報告:Disappearing into the Drug Crowd
American Journal of Medicineにケースレポートがアクセプトされました!
https://doi.org/10.1016/j.amjmed.2019.05.052
意識障害の患者で,病歴が聴取できず困ったため,
家にある内服薬を持ってくるようお願いしたところ,
大量の残薬(8施設より47種類:マグミット1580錠,センノシド992錠など)が発覚し
下剤が大量に処方されている→それを飲んでいない→肝性脳症だ!
と診断にいたったというケースです.
ポリファーマシーが健康に影響を与える経路として
prescribing potentially inappropriate medications:不適切な薬剤が入っている
Potential Prescribing Omittions:適切な薬剤が入っていない
という2つが従来より提唱されています.
しかし,このケースは上の2つには当てはまりません.
キードラッグ(この場合は下剤)は処方されている
→他の薬が多すぎる
→多すぎて飲めない
→有害事象発生
本論文で,この経路をDisappearing into the Drug Crowdと名づけました.
衝撃的な残薬の写真を論文に載せることができただけでもうれしいです.
マグミットの数はうちの病院の在庫を超えていました.
(以下,論文より引用)
小病院でも,ありふれたケース(下剤のまずに肝性脳症発症)でも
国際誌にアクセプトされる,ということがわかり,非常に勉強になりました.
よろしければご一読ください.