2019年9月9日月曜日

症例報告:Wallenberg syndromeのpost-stroke pain syndrome


症例報告がAmerican Journal of Medicineに掲載されました.
https://doi.org/10.1016/j.amjmed.2019.06.042


眼周囲の刺すような痛みで来院した患者でした.
神経所見を丁寧にとることで
Wallenberg症候群によるpost-stroke pain syndromeと診断できました.

脳梗塞後の疼痛は視床で有名ですが,次に多いのはWallenberg症候群です.
温痛覚の低下している領域に疼痛が起こります.

発症後しばらくしてから出現することもありますが,
本例では初期症状として疼痛が出ていました.
顔面に出るタイプのpost-stroke painは,発症早期におおいことがわかっています.

眼が充血していないのに眼の周囲が痛い(periorbital pain in a quiet eye)ときには
群発頭痛や三叉神経痛,副鼻腔炎,巨細胞性動脈炎などを疑いますが
神経診察を怠るとこのようなケースを見逃してしまいます.
その意味で教訓的なケースだと思います.

ぜひご一読ください.