2019年9月23日月曜日

サルコイドーシスをどう疑うか.


サルコイドーシスの表現型として有名なのは以下の2つ.

Heerfordt症候群:ぶどう膜炎,耳下腺腫脹,顔面神経麻痺+微熱

Löfgren症候群:BHL,関節炎,結節性紅斑

これがどうも覚えられないのです.
なので,自分のところにくるならどうやって現れるかを考えて見ます.


まず,Heerfordt症候群.
ぶどう膜炎が前面にでれば,患者はまず眼科を受診するかなぁ.
充血,眼痛,羞明,視力異常,霧視などで,ぶどう膜炎を想起すれば,どちらにせよ眼科を紹介するだろうし,ぶどう膜炎の原因疾患としてサルコイドーシスは有名なので,途方にくれることはなさそう.

耳下腺腫脹は無症候性だろうけど,微熱患者で偶発的に発覚して紹介,という流れはありそう.
となるとSjögren症候群やIgG4関連疾患をどうしても想起してしまいます.
Sjögren症候群は基本的に無熱性なので,違和感を持つとしたらそこでしょうか.

顔面神経麻痺でやってくるパターンが,もっとも可能性高そうです.
単純にこなしてしまうと,Bell麻痺か,
はたまたRamsay-Hunt症候群を疑って外耳道をみるかで,
終わってしまいそうです.

Bell麻痺っぽいけど,熱もあるし,眼も赤いし…という臨床像で
サルコイドーシスを疑うようにしなければいけません.

つづいてLöfgren症候群.

BHLがあれば真っ先にサルコイドーシスを疑うだろうと思います.

原因不明の多関節炎をみているときに,胸部X線を注意して見る,というプラクティスは
いままでしてこなかったなぁと反省です.
また,結節性紅斑+関節炎だと,関節リウマチや炎症性腸疾患などが真っ先に浮かんでしまいます.
あとはSweet病やリンパ腫とかですかね?関節炎はあまりないか・・・

結節性紅斑+関節炎で,サルコイドーシスを想起する,という練習が必要ですね.

というわけで,むりやりまとめるなら以下の通り.

有熱性の耳下腺腫脹→サルコイドーシスかも?
顔面神経麻痺→Bell麻痺だと思う前に一回はサルコイドーシスを想起する
結節性紅斑+関節炎→関節リウマチと思い込む前にサルコイドーシスを疑う