2019年9月16日月曜日

上葉優位の瀰漫性肺陰影


瀰漫性肺疾患はとても苦手です.





こういった本で勉強しているのですが,なかなか頭に入っていきません.

疾患名をわかった状態でCTを読むのと,実診療でまずCTがきて鑑別をあげるというのは
当たり前ですが,まったく違うものですね.


必要があって調べていたら,上葉優位の分布をきたす疾患の覚え方をみつけました.

CASSET-P(詳しくはこちら
C:慢性過敏性肺臓炎(CHP),嚢胞性線維症(cystic fibrosis)、
A:強直性脊椎炎(ankylosing spondylosis)、網谷病(PPFE)
S:サルコイドーシス(sarcoidosis)
S:珪肺(silicosis)
E:eosinophylic granuloma(現在はランゲルハンス細胞組織球症)
T:結核(tuberculosis)を含めた慢性感染症(非結核性抗酸菌、真菌など)
P:ニューモシスティス肺炎(PCP)特にペンタミジン予防吸入中

さらにグループで覚えると
吸い込んで発症(過敏性肺臓炎,珪肺,結核等.ペンタミジン吸入が届かずPCP発症)
全身疾患(強直性脊椎炎,サルコイドーシス)
あとはPPFEとランゲルハンス細胞組織球症,ですね.


強直性脊椎炎で肺線維症が起こるのをはじめて知りました.
他にも,ぶどう膜炎(虹彩炎),炎症性腸疾患、弁閉鎖不全、心筋伝導障害が併発することがあります.

PPEE(pleuroparenchymal fibroelastosis)もはじめて聞きました.
くわしくはリンク先参照(こちらこちら

CPFE(combined pulmonary fibrosis and emphysema)なら経験があります.
上肺野に肺気腫,下肺野に間質性肺炎,というのが典型ですね.
肺がん,肺高血圧に注意です.

ランゲルハンス細胞組織球症は喫煙者の上肺野の結節影+小空洞というのが典型例でしょうか.


単純化しすぎていますが,非専門医が頭に入れるにはこのあたりが限界です.
最初の方針をたてて専門医につなぐとっかかりくらいにはなるでしょう.

再度,瀰漫性肺疾患の勉強をしなくては.
もう一回教科書読み直そう.