2016年2月2日火曜日
心不全の落穂拾い
最近、心不全の患者さんを担当することが多いので、
患者さんに関連して勉強したトピックスを羅列します。
【心臓再同期療法(CRT)の適応】
・βブロッカー、ACE阻害薬orARBを含む最適な薬物治療を受けている
・LVEF<35%
・QRS>120msec
・NYHAⅢorⅣ
・洞調律
→CRTでQOL改善、心不全の入院減少、全死亡率低下
症状改善はCRT埋め込み後1カ月以内に出現。
ただし1/3は改善見られず。
CRTで効果高い群
・特発性非虚血性拡張型心筋症
・左脚ブロック
・QRS>150msec
NYHAⅠorⅡ群でも心機能改善期待できる。しかし死亡率減少はイマイチ。
【急性非代償性心不全の原因】
・原病の悪化:特に高血圧→左室収縮障害に注意
・虚血
・不整脈
・ペースメーカー異常
・不摂生、怠薬
・アルコール
・薬物:特にNSAIDsに注意。カルシウム拮抗薬も引き起こすことある。
【心房細動+心不全】
心不全→体液貯留+左房圧上昇→心房細動というケースもあれば
心房細動→頻脈性心筋症→心不全ともなりうる
心房細動単体なら心拍数<110bpm程度のレートコントロールでいいよという流れですが
心不全合併例でレートコントロールがいいかリズムコントローrがいいかは明確にわかっていないようです。
心不全合併例のリズムコントロール第一選択はアミオダロン。
レートコントロールならβ遮断薬が第一選択で、
心機能が比較的保たれているならカルシウム拮抗薬、
心機能低下しているならジキタリスが選択肢としてあがります。
もちろんカテーテルアブレーションなど非薬物的治療の適応も考えます。
参考:「症例でつかむ心不全」 2015 MEDSi
「循環器治療薬ファイル第2版」 2012 MEDSi