2019年4月16日火曜日
ヘモクロマトーシスのbeak sign (MKSAP)
初めて知ったので簡単にまとめます。
ヘモクロマトーシスは手関節や指関節の関節症を招くことがあります。
特徴は対称性かつ非炎症性であることで、さらに言えば第2、第3中手骨頭に変性が見られることがあるようです。
この時、変性した骨棘が鳥の嘴のように見えるため、hook signとかbeak signとか呼ぶようです。
さらに言えば、骨頭自体は四角形に変形するため、これをsquare-offというようです。
画像参照はこちら。
これは知らなきゃ絶対疑えないですね。
2019年4月12日金曜日
ぶどう膜炎を初発症状とするリンパ腫はあるのか
我ながらニッチですね.
故あって調べてみました.
ぶどう膜炎を初発症状とするリンパ腫にはどうやら3パターンありそうです.
1.網膜硝子体リンパ腫などの眼内リンパ腫が,最初ぶどう膜炎のように見える
このケースシリーズ研究によると,網膜硝子体リンパ腫は初発から診断がつくまでに平均25カ月かかっており,ぶどう膜炎だとしてステロイドを使うことで腫瘍がマスクされてしまうこともあるようです.
2. DLBCLの初発症状がぶどう膜炎
やはりぶどう膜炎が起こって1-2年後に全身性のリンパ腫が発覚するパターンです.
(参考文献はこちら)
3. 中枢神経原発悪性リンパ腫の初発症状がぶどう膜炎
中枢神経原発悪性リンパ腫の3.5%でぶどう膜炎が初発症状だったとのことです.
脳外科の中では有名な話なのでしょうか.いろんなサイトで言及されていました.
(参考文献はこちら)
2019年4月5日金曜日
社会的排除と社会的包摂
健康の社会的決定要因について学習を進めると
貧困に関する理論の変遷の歴史の中に突如「社会的排除」あるいは「社会的包摂」という概念が登場してきたことが分かります.
いままで字面だけ見て何となく理解した気になっていたので,
ちゃんと勉強しようと思いこの本を読みました.
戦後フランスにおける政治的主張に端を発し,EC/EUに持ち込まれた概念なのですね.
道理で突然登場するわけです.
社会的排除は貧困の一形態ととらえるべきか否かなど,これまでの国際的な議論を基に,筆者がわかりやすく自分の立ち位置を提示しており,いちいち納得しました.
社会学の概念を知ることで,日常診療に奥行きがでる,という体感は確かにあり,
目の前の患者で起こっていることを少しでも理解するためには,このような人文科学に立脚した知識,社会で起こっていることを直視したうえでそれをどのように乗り越えるかという議論は大事だと思うのです.
というわけで,しばらくこの分野については集中的に勉強しようと思います.
日本語の文献があるのはいいですね.さすがに英語では読む気が起こらないです.
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