2019年4月5日金曜日

社会的排除と社会的包摂


健康の社会的決定要因について学習を進めると

貧困に関する理論の変遷の歴史の中に突如「社会的排除」あるいは「社会的包摂」という概念が登場してきたことが分かります.

いままで字面だけ見て何となく理解した気になっていたので,
ちゃんと勉強しようと思いこの本を読みました.





戦後フランスにおける政治的主張に端を発し,EC/EUに持ち込まれた概念なのですね.
道理で突然登場するわけです.

社会的排除は貧困の一形態ととらえるべきか否かなど,これまでの国際的な議論を基に,筆者がわかりやすく自分の立ち位置を提示しており,いちいち納得しました.

社会学の概念を知ることで,日常診療に奥行きがでる,という体感は確かにあり,
目の前の患者で起こっていることを少しでも理解するためには,このような人文科学に立脚した知識,社会で起こっていることを直視したうえでそれをどのように乗り越えるかという議論は大事だと思うのです.

というわけで,しばらくこの分野については集中的に勉強しようと思います.
日本語の文献があるのはいいですね.さすがに英語では読む気が起こらないです.