2015年10月18日日曜日

低アルブミン血症とワーファリン


低アルブミン血症のある患者さんがDVTを起こしていたために
ワーファリンを少量から開始したのですが、PT-INRが著明に延長してしまい
慌てて拮抗したという経験をしました。

以前まとめた、ワーファリンが効きすぎたら(BMJ Practice)という記事では扱っていなかったのですが
低アルブミン血症でワーファリンが効きすぎることがあります。

血中ワーファリンの約95%はアルブミンに結合しています。
アルブミンが薬物と結合する箇所は3つあり、
それぞれサイトI(ワルファリンサイト)、サイトII(ジアゼパムサイト)、サイトIII(ジギトキシンサイト)と名前がついています。

故に、アルブミンが低値であったり、他のアルブミン結合性が高い薬剤が併用されていたりすると
遊離ワーファリン濃度が高くなり、PTが延長しすぎることが起こりえます。
仮にAlb 4で遊離ワーファリンが全体の5%だとするならば、
単純計算でAlb 2だと遊離ワーファリンは全体の52.5%を占めることになりますね。

Am J Med. 2002 Feb 15;112(3):247-8.にレビューがあるみたいですが
全文が読めず断念しました。