Bad News Tellingについては、以下の記事にも書いています。
終末期ケアにおける患者との対話 Vol.1, Vol.2, Vol.3
Bad News Tellingを勉強する上で、共通言語となるキーワードとして
SPIKESとSHAREをまとめておきます。
参照
http://www.kcfm.jp/filemgmt_data/files/SPIKES_SHARE_20110816.pdf
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02759_01
SPIKES
1. Setting
・ プライバシーを保証するような場を設定する。
・ 患者に「その場に居て欲しい人は誰か」を確認しておく。
・ 患者が涙ぐむ場合に備えてティッシュを用意しておく。
・ 患者と家族には必ず自己紹介し、患者のケアにおける役割を明確にする。
2. Perception
・次のように質問して患者の病気の認識度を把握する。
「あなたが理解していることをお話しください。」
「あなたが主治医から聴かれたことはどんなことでしょう。」
・否認の徴候は特に敏感に感じ取る。
否認は患者が恐怖やコントロール感を失うことへの対処の一つである。
3. Invitation
・患者がどれくらいの情報を知りたがっているのかを評価する。
「あなたはたくさんの情報を知っておきたいと思われるタイプですか、それとも...」
(患者の知る権利を尊重するのと同様に、患者の知りたくない権利も尊重する)
・常に現在の情報の必要性を確認していく。
患者は診断時に多くの情報を知りたがるがこの要求は病気が進行するにつれ減少することがある。
4 Knowledge
・ 評価した患者の理解力のレベルで医学的事実、情報を提供する。
・ 警告弾を放ってから悪い知らせを予測させ、情報を提供する。
「あなたに伝えなければならないことがありますが、あまり良い内容ではないので残念です......」
・ 情報は小出しに、わかりやすく伝える。 (医学的専門用語は避ける)
・ 患者がどのくらい理解したのかを時々確認しながら、それに応じて情報提供を調節していく。
「理解できましたか?」
「私の言っていることがわかりますか?」
・「我々があなたにできることはもうありません」と絶対に言わない。
5. Empathy & Exploration
・ すべての反応に共感的に反応する。
・ 患者の感情がわからないときは、患者の考えや気持ちを探索する。
・ 患者の気がかりを確認する。
6. Summary, Strategy
SHARE
Supportive environment
How to deliver the bad news
Additional information
Reassurance and Emotional support
・基本
礼儀正しく患者に接する
患者に質問を促し、その質問に十分にこたえる
1.面談を開始する<起>
患者の気持ちを和らげる言葉をかける
病状、これまでの経過、面談の目的について振り返り、病気に対する認識を確認する
家族に対しても患者と同じように配慮する
2.悪い知らせを伝える<承>
悪い知らせを伝える前に患者が心の準備をできるような言葉をかける
悪い知らせをわかりやすく明確に伝える
患者が感情を表に出しても受け止める
患者に理解度を確認しながら伝える
3.治療を含め今後のことについて話し合う<転>
標準的治療方針/選択肢/治療の危険性や有効性を説明し、推奨する治療法を伝える
誰が治療選択に関わることを望むかを尋ねる
「できないこと」だけでなく、「できること」を伝える
患者が利用できるサービスやサポート(たとえば、医療相談、高額医療負担、訪問看護、ソー
シャルワーカー、カウンセラー)に関する情報を提供する
患者のこれからの日常生活や仕事についても話し合う
4.面談をまとめる<結>
要点をまとめて伝える(サマリーを行う)
説明に用いた紙を患者に渡す
今後も責任をもって診療に当たること、見捨てないことを伝える
患者の気持ちを支える言葉をかける