2025年5月15日木曜日

Q熱とオウム病

 

まだであったことがないが、診療圏でそこそこ発生報告があるので、目の前に来たら疑えるようにしておきたいです。


Q熱

・哺乳類、とくに胎盤・羊水との接触。潜伏期間は3週間。

・多くはインフルエンザ様でself-limiting

・発熱、頭痛、筋痛、咳嗽、関節痛

・まれに市販、髄膜炎、溶血性貧血、心内膜炎、膵炎、精巣副睾丸炎

・CTでは多発するconsolidationを呈することがある

・画像検索で数例CT見ましたが、敗血症性塞栓におもえますね。これも引っ掛けるポイントかと。


「哺乳類の出産に立ち会った3週間後のインフルエンザ様症状、多様な臓器を巻き込むことがあり、CTは多発consolidationを呈することがある」と覚えておきます。



オウム病

・乾燥した糞や羽埃に付着。ゆえに鳥小屋掃除が曝露危険高い 潜伏期間は5-15日

・乾性咳嗽、発熱、頭痛が比較的緩徐に出現

・頭痛は強く、ときに羞明を伴う

・咽頭発赤あり

・脾腫が発症1週間後にでることもある

・Horder's spotという丘疹がまれにみられる。

https://x.com/IUIDfellowship/status/1428154844230135814


「頭痛が強い気管支炎で、鳥小屋掃除(その他鳥との接触、餌やりやペットショップなど)の病歴を聞きに行く」という姿勢が大事なのかもしれません。丘疹は稀なのであまり気にしない方がいいかも。

髄膜炎っぽい呼吸器感染症はレジオネラを想起していましたが、これからはオウム病も想起するようにしたいです。


参考:シュロスバーグの臨床感染症学邦訳第2版