2022年8月4日木曜日

夜間の疼痛は過小評価される



Annemaria C van Berkel, Robin Ringelenberg, Patrick J E Bindels, Sita M A Bierma-Zeinstra, Dieuwke Schiphof.

Nocturnal pain, is the pain different compared with pain during the day? An exploratory cross-sectional study in patients with hip and knee osteoarthritis.

Family Practice, 2022; cmac074


股関節・膝関節の変形性関節症患者で、夜間痛がある患者とない患者の特徴と症状の違いを明らかにするために行われた、横断研究です。


2020年4月、5月にソーシャルメディアや患者会を通じてオンライン調査を配布し、OA患者101人が自己申告式で、痛みの強度、局在、次元、(夜間の)痛みが睡眠に与える影響を回答しました。


結果として、夜間痛は75%の参加者が報告しました。

夜間痛がある患者は、日中より夜間の方が痛みが強いと報告しました。

また、夜間痛のない患者を比較して、①断続的、恒常的、および放散する痛みを訴え、②痛みが睡眠に与える影響が大きく、③痛みが最もひどい時のスコアが高いことが分かりました。


重要な知見だと思います。

診察時点ではそこまで痛くないから、夜間の疼痛をGPは軽視する可能性があります。

夜に痛いという訴えがあれば、その訴えを真剣に受け取る、というのは、ちょっとした心構えですが、患者の症状やQOLに大きな影響を与えるかもしれません。


リクルート方法もfeasibilityが高いですね。Research Questionが何より大事というのがよくわかる論文だなと思います。