家庭医療学の研究にも、基礎研究に当たるものがあります。
例えば、この論文。
高齢者のフレイルについて研究したいと思ったときに,どのようにフレイルを測定すればいいのか,という問題に突き当たります.
通常は,妥当性の確認された質問紙を用いて測定をするわけですが,これだと手間もお金もかかってしまいます。それが日常診療の電子カルテデータを用いて評価できたら嬉しいですよね.
そこで,特に研究を意識せずに日常診療で集めた情報だけが載っている電子カルテデータを用いて妥当なフレイルの測定ができないかやってみた、という研究です。結果は、うまくいかなかったようです。
昨日付でJ Gen Intern Medに公開された論文も、基礎研究にあたるものです。
いわゆる「マイノリティ」や辺縁化された方を研究にリクルートする際には、待合室にテーブルを置いて対面するのが良い、という論旨です。
複数の慢性疾患(MCC)を有する患者の治療負担を評価する研究において、異なるリクルート戦略の有効性を比較するしています。
比べたのは、郵便でのリクルート、待合室にテーブルを置いての対面、電話の3つです。
この研究は、セーフティネット上にある方を対象としています。
参加者の半数以上がアフリカ系アメリカ人またはアフリカ系移民であったとのことです。
そして、対面式のリクルートが最も迅速かつ高率にリクルートできた、という結果になりました。
少なくとも、社会的に周縁化されている方を研究にリクルートする際には、対面で行うのがよさそうですね。