2019年12月16日月曜日

指導者の12の役割(後半)


後半です.

・評価者
評価,試験は,教師の役割と切り離すことができるため「良い教師ではあるがよい評価者ではない」という事態が起こりえます.ただし,評価がないと学習者が目標を達成できたのか,何が必要なのかを示すことができません.また,学習者からすれば評価は避けられないものであり,質を担保する必要があります.
カリキュラムも評価する必要があります.自身の指導の質を評価するという意味でも必要です.学習者からのフィードバックが評価には不可欠です.

・計画者
指導者はカリキュラムを計画する役割があります.学習アウトカムが何で,それをどのようにすれば実現できるのかを考える必要があります.その際に,評価法や教育環境の整備についても議論する必要があります.
カリキュラムを実際に走らせるコースの計画も必要です.

・教育資源の開発
教材作成も必要とされる役割です.教材開発を通じて,新しい学習環境をつくることもできます.個人的な例だと,CSAのシナリオつくりや,SDH教育のためのツール作成などに携わっていますが,これも指導者の役割なのですね.
教材と同様に,学習ガイドの作成も必要です.


この3×2=6つの役割は,いままで自分で意識したことのなかったものでした.
とくに評価は,確かに必要ですよね.いままで学習者の評価はあいまいになっていたと我が身を振り返って思います.

これらの役割は独立しているものではなく,相互に影響しています.同時に複数の役割を果たすことも稀ではありません.

指導者の役割を認識する意義についても多く論じられていますが,特に「教育の文化を構築する」という意義を強調するべきだと思います.
特に,原理的に教育のために最適化されていない環境である臨床現場では,学習者は全ての経験から学び取るわけですから,教育的な文化の醸成はとても重要だと思います.
このあたり,Experiensed-based learning(ExBL)の論文も読んでみたいです.