2018年12月24日月曜日
家庭医療に関する疑問と回答(part 5)
Kozakowski SM et al. Responses to Medical Students' Frequently Asked Questions About Family Medicine. Am Fam Physician. 2016 Feb 1;93(3):Online. (PMID: 26926619)
家庭医療について医学生が抱きがちな疑問にたいして,Q & Aでまとめています.
日本でも米国でもこの辺りの事情はあまり変わらないですね.
回答は当然米国の状況を反映しているものですが,読んでいて非常に面白いです,
何回かに分けて訳します.
家庭医が行う手技にはどのようなものがあるか
家庭医は様々な手技を行うことがある(Table 2)。心負荷試験の7.5%、分娩の9.9%、筋骨格系手技の64%、皮膚系手技の79%は家庭医が行っている。家庭医は、診療の幅が多岐にわたっているほど、ヘルスケアの4つの目標をより達成できるようになる。
Table 2. 家庭医が行う手技
○麻酔
意識下の鎮静
指、局所、末梢神経ブロック
○消化管
肛門鏡
大腸内視鏡
経管栄養チューブ留置
血栓性痔核の切開
S状結腸鏡
肛門周囲膿瘍の石灰排膿
経鼻胃管留置
○泌尿器
新生児割礼
恥骨上膀胱穿刺
尿鏡検
精管切除
○救命
ACLS
産科ALS
ATLS(外傷)
新生児蘇生プログラム
PALS(小児)
○妊婦ケア
自発的経膣分娩(胎児モニタリング、分部誘発・促進、裂傷縫合を含む)
吸引分娩
○筋骨格系
単純骨折の初期対応
関節・滑液包注射、トリガーポイント注射、ガングリオン吸引
肩関節脱臼の修復
四肢の固定法
○呼吸器
スパイロメトリー
○皮膚
生検
凍結手術
電気メスでの手術
切開排膿
裂傷縫合
○超音波
基本的胎児エコー
筋骨格系エコー
中心静脈穿刺、腹腔穿刺、胸腔穿刺のエコーガイド
○外来、病棟
鼻出血に対する後方鼻腔パッキング
フルオレセイン眼染色
異物除去
腰椎穿刺
静脈ルート確保
○女性医療
子宮頸部凍結療法
コルポスコピー
子宮内膜生検
子宮内デバイス挿入・除去
パパニコロウ染色
子宮内膜掻爬
外陰部生検