2017年8月23日水曜日

小児の発達遅滞スクリーニング


遅れていますが,AFPのレビューまとめです.

Developmental Delay: When and How to Screen
Am Fam Physician. 2017 Jul 1;96(1):36-43.


米国では,小児の15%が発達の遅れを少なくとも1つ有していると指定される.しかし,このうち3歳未満の早期介入サービスを受けているのは1/5にも満たない.初期スクリーニングと紹介を実施するには多くの障壁があるが,準備さえすればプライマリケアの現場の流れのなかで簡単に使えるスクリーニングツールがある.妥当性のあるスクリーニングツールを,健常児の検診にとどまらず,定期的に繰り返し用いることで,早期に見つけ出しやすくなる.高リスクの子どもにとって早期介入は有効であり,認知面の向上にも勉強面の向上にもつながる.時間の節約になるので,直接評価を行うツールより親だけで施行できるツールのほうがプライマリケアの現場では望まれる.親だけで最もしっかり評価できるツールは, Ages and Stages Questionnaire と Parents' Evaluation of Developmental Statusである.家庭医は,現在利用可能なスクリーニングツールとその限界・強みを知っておくべきである.スクリーニングにより発達の遅れが疑われる場合は,追加の評価と紹介が推奨される.


Ages and Stages Questionnaireの日本語版はこちら
https://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_b/b-184/b-184_03.pdf