2017年3月23日木曜日

ベンゾジアゼピン依存


たまには医学生物的記事も.
今週のNEJMのReviewを部分的に抜粋します.
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMra1611832

ベンゾジアゼピン依存

離脱症状:短期間型なら2-3日以内,長期間型なら5-10日で発現
最も軽い→反跳性不眠
よくある身体症状→筋緊張,脱力,筋けいれん,疼痛,インフルエンザ様症状,ピリピリとしたしびれ
よくある精神症状→不安,パニック,そわそわ,興奮,気分変調,集中力低下,睡眠以上
他には→食欲低下,頻脈,眼のカスミ,口腔乾燥,耳鳴り,嗜眠,現実感の消失
知覚異常もよく起こる→聴覚過敏,羞明,異常感覚など
突然やめると痙攣が起こることも.
重症では幻覚,妄想,脱人格化,譫妄も

鑑別診断:他の精神疾患,アルコールや薬物中毒,てんかん,頭蓋内病変,心筋梗塞,甲状腺ホルモンなどの内分泌異常など

治療の肝はゆっくり減量すること
プロトコルは様々:各週ごとに50%ずつ減らす~2週ごとに10-25%ずつ減らす
ただし,あまり長々としないほうが良い

ジアゼパムなど長期間作用型に変更するのもよいかもしれない
オピオイド維持療法を受けている場合はオピオイドの量は変えない.
抗うつ薬など他材を用いる方法もあるが効果ははっきりせず.

CBT(認知行動療法)はしっかり効果あり
他の薬物やアルコールの乱用にも注意