2016年6月2日木曜日

脳梗塞、脳出血を高次医療機関に転送する判断基準



2次救急機関にいると、脳卒中を高次に救急搬送するか入院で保存的に見るかの判断をする機会が多いです。
ある程度評価項目を覚えていないとやってられないので、暗記項目を極力少なくしてまとめます。


●脳梗塞 血栓溶解療法の適応

禁忌をちゃんと覚えておく必要があります。
発症4.5時間超、出血がある:消化管や尿路は21日以内の既往で禁忌になる、解離やSAHがある、というのはわかりやすいです。

降圧後も185/110mmHg以上なら禁忌、広汎な早期虚血性変化やmidline shiftがあっても禁忌です。
既往歴では、1カ月以内の脳梗塞があると禁忌になるのが注意です。

血液検査で以下に当てはまらないことを確認しなくてはいけません。
重篤な肝障害、急性膵炎、血糖50以下or400以上、Plt 10万以下、PT-ING>1.7, aPTT>40秒

あわせて、NIHSSは26点以上だと慎重投与になりますが、
4点以下の軽症例でも慎重投与になることも覚えておく必要があります。
つまり、感覚障害だけ、軽度の片側麻痺だけとかだと、適応にはならなくなります。

詳しくはrt-PA静注療法適正治療指針(2012年)を。


●脳出血 手術適応

日本脳卒中学会のガイドラインには以下のようにあります。


さすがに覚えられないので、ROCKY NOTEの記載を参考にまとめます。


以下の場合は非適応となるのでこれをおさえる。

・血腫量10ml未満 予後が良いので
・神経学的所見が軽微 予後が良いので
・逆に、GCS4以下の昏睡例 ただし小脳出血→脳幹圧迫は手術適応あり
・脳幹出血
・視床出血 ただし脳室穿破・脳室拡大はドレナージ術考慮