2023年4月16日日曜日

家庭医の診察室における臨床推論

 

最近は忙しくて、ブログの更新ができておりません。


原因不明のアナフィラキシー・アナフィラキシーショックがこの2か月で2回起きており、びくびくしながら暮らしています。エピペン携行してます。

あれこれ調べても診断に寄与する情報はヒットせず。

今話題のα-galかなとも思いましたが、自主的経口負荷試験で陰性なので違いますね。


俯くと息が詰まる、という主訴の患者さん。

診察すると、大きな甲状腺腫(既知のもの)がありました。

これは、と思って両手を挙げてもらうと、Pemberton徴候陽性でした。

俯くことで、甲状腺腫が周囲の組織を圧排して起こるものと判断しました。

説明すると納得された様子でした。

甲状腺腫のフォローはすでに行われているところに引き続きお願いしました。


胸が痛いという主訴であちこち受診している若い男性。

明確な圧痛があり、horizontal arm traction maneuverは陰性でしたが、rooster maneuverで疼痛が再現できたので、肋軟骨炎と診断しました。

本人希望あり画像検査では何もないことは確認しました。


毎朝めまいが起こるという中年男性。

問診の結果、首を進展させるような姿勢でめまいが起こっていることが判明しました。

診察室内で再現性もありました。いわゆるvertigoではないようでした。

bruitがないことを確認したうえで頸動脈洞の圧迫を行うと、症状が誘発され、血圧と脈拍の低下が観測されました。

頸動脈洞過敏症と判断し、特定の姿勢を避けるよう説明しました。

その後は症状は起こっておらず、一安心です。


というわけで、家庭医の診察室における臨床推論の一コマでした。

救急とも病棟とも違う臨床推論の奥深さがあると思っております。