Rivera-Caravaca JM, Roldán V, Martínez-Montesinos L, Vicente V, Lip GYH, Marín F. The Atrial Fibrillation Better Care (ABC) Pathway and Clinical Outcomes in Patients with Atrial Fibrillation: the Prospective Murcia AF Project Phase II Cohort. J Gen Intern Med. 2022 Apr 11. doi: 10.1007/s11606-022-07567-5. Epub ahead of print. PMID: 35411538.
心房細動のマネジメントはAtrial fibrillation Better Care(ABC)pathwayで。
A: Avoid stroke
B: Better symptom control
C: Cardiovascular risk factors/comorbidities management
の頭文字でもあります。
A基準:抗凝固薬が適切に処方され、治療されている。
B 基準:EHRAスコアがI(症状なし)またはII(日常生活に影響しない軽度の症状)である
C基準:高血圧、冠動脈疾患、末梢動脈疾患、心不全、脳卒中/一過性脳虚血発作(TIA)、糖尿病などの主な心血管系合併症の最適な管理/治療を受けている
高血圧:160/90mmHg未満で適切な薬剤で治療されている
冠動脈疾患:ACE阻害薬、β遮断薬、スタチンでの治療
末梢動脈疾患:スタチンによる治療
脳卒中/TIAの既往:スタチンによる治療
心不全:ACE阻害剤/ARBおよびβ遮断薬による治療
糖尿病:インスリンまたは経口糖尿病薬による治療、を検討
この論文は2016年7月~2018年6月にワーファリンによる治療を開始した心房細動外来患者の前向きコホート研究についてのものです。
63.0%(658例)がABC pathwayを遵守しており、非遵守とくらべ全死亡や心血管系重大イベントの発生率が低いことが示されました。
リアルワールドの前向きコホートで、pathwayを遵守することが2年後の全死亡や重大イベントのリスクを有意に減少させることを示しています。
この研究はワーファリン服用者が対象となっている点に注意が必要です。
しかし、心房細動にはABC pathwayが大事、というのはDOAC服用でも大きくは変わらないと思います。
あらたに家庭医療研修を始める方や、新たに指導医になった方も多いと思うので、ぜひ外来診療/指導の参考にしてください。