最近ついついさぼりがちな論文レビュー
重要な論文がたくさん出ていました。
https://bjgp.org/content/early/2025/06/04/BJGP.2025.0004
がん患者の公正な緩和ケア登録に関するシステマティックレビュー。Table 2が重要。自分のセッティングでは、在宅患者や通院患者であれば自分で緩和ケアを行うことが多く、時にホスピスに紹介することになるのですが、困難を自覚した時に多職種での介入にスイッチを切るようにしなくてはと思いました。
https://bjgp.org/content/early/2025/05/28/BJGP.2024.0798
時間外の医療サービス(救急)を受ける要因は、患者側のものが多い(年齢、マルモ、ポリファーマシー、在宅ケアサービスのレベル)。時間内にたくさん診療を提供していれば時間外の受診が減るというわけではない。
https://bjgp.org/content/early/2025/05/28/BJGP.2024.0818
複雑なメンタルヘルス上の問題(CMHD)がある患者のGP受診に関する混合研究。患者のニーズが認識されておらず、不可視化されていることを、説得力を持って示しています。精読する必要があります。
https://bjgp.org/content/early/2025/06/02/BJGP.2024.0579
継続性に関する論文は最近多いですね。GPの継続性の向上が二次医療(病院におけるケア)の断片化を軽減するわけではない、という結果。ケアの統合を図るには別のアプローチが必要そうです。
https://bjgp.org/content/early/2025/05/16/BJGP.2024.0429
プライマリケアセッティングで、抗うつ薬(特にSSRI)が開始後一か月での起立性低血圧と関連するという結果。新規に処方する際に気を付けるべき副作用です。
https://bjgp.org/content/early/2025/05/12/BJGP.2024.0568
プライマリケアにおいて、個人間の継続性が高い場合に、死亡率、入院率、救急外来受診率がわずかだが低下するというシステマティックレビュー
https://bjgp.org/content/early/2025/05/05/BJGP.2024.0538
呼吸困難感を訴える患者を電話で評価する際に、年齢と性別、通話特性(夜間の通話または患者の代わりに誰かが通話)、症状(咳、発熱、完全な文章を話せない、喘鳴)の3つを評価することで有効なトリアージができるという結果。「患者の代わりに誰かが通話する」というのはなるほどなと思いました。