Sims, Lillian R. Into the Unknown: Experiences of Social Newcomers Entering Medical Education, Academic Medicine: June 01, 2022 - Volume - Issue - 10.1097/ACM.0000000000004762
doi: 10.1097/ACM.0000000000004762
ぎゃー。しびれる論文に出会いました。
医師の子弟であるなど、もとから医療とかかわりがあった学生(この論文ではinsiderと呼称しています)ではない、もともと医療にかかわりがなかった医学部入学生(=newcomer)が医学部生活で何を体験するのかについて探った研究です。
まず、newcomerは、入学直後にoutsiderとして結構しんどい思いをするようです。
outsiderとしての経験には、地方出身、低所得といった社会的背景も影響します。
そんなnewcomerも、自分の持つ多様な背景をもとに、自分なりのやりかたで医療に向き合っていきます。
私自身、医師の子弟でなく、地方出身であるなどといった様々な背景が重なり、大学生活ではoutsiderとして、まあまあしんどい経験はあったなと思います。
同級生がみな文化的資本力に満ち溢れていて、愕然としたこともありました。
学内での社会的資本は明確に不足していました。
ですが、結局は地元の小病院で研修して家庭医になるという、私がいた大学の中では明らかに異質な道を歩みましたし、それにより多大な利益を得たと思っております。
ですので、まさに私のことを書いた論文だ、という感じました。
そして、恐ろしいことに、単独著者です。世の中にはすごい人がいるのですね…