2022年6月16日木曜日

認知症のある高齢者に赤ちゃん言葉で話しかけるとケアの拒否が増える

Shaw CA, Ward C, Gordon J, Williams KN, Herr K. Elderspeak communication and pain severity as modifiable factors to rejection of care in hospital dementia care. J Am Geriatr Soc. 2022 Jun 1. doi: 10.1111/jgs.17910. Epub ahead of print. PMID: 35642656.

elderspeakとは、簡単に言えば、高齢者にたいして、赤ちゃんかのように話しかけてしまうことです。

私としては、できるだけしないようにとは思っていますが、ついついelderspeakになってしまうことがあり、あとで反省することも多いです。


痛みを緩和しelderspeakを控えることで、rejection of care(ケアの拒否)が減る、という研究です。

認知症患者と看護師との間に行われた会話の大半(96.6%)が何らかの形でelderspeakを含んでいました。

また、半数近く(48.9%)の看護職員がケアの拒否を経験していました。

elderspeakが10%減少すると、ケアの拒否のオッズは77%減少し、ケアの拒否の強さは16%減少しました。また、痛みの重症度が1単位下がると、ケアの拒否のオッズは73%減少し、強さも28%減少しました。