2020年7月13日月曜日

症例検討:Bizarre appearance


またもや経験したケースの振り返りです.
患者所法は大幅に改変しており,ほぼ創作となっています.

70歳代.慢性腎障害あり.
昨日,転倒し前腕を強く打った.骨折はないが筋挫傷あり.
当日朝から気分不良があり外来受診.

この時点で嫌な感じがしたので,すぐ心電図をとる.
心電図は以下の通り(実際のものではなく,拾いものです)


なんだこれ,という心電図.
ここで,心電図のMy Clinical Pearlが発動.
「読めない心電図をみたら高K血症を疑え」

はたして,Kは6.8と異常高値
すぐグルコン酸カルシウムを投与し,緊急透析ができる高次医療機関に転院打診.
その間に,β刺激薬の吸入,GI療法,フロセミド投与を開始.
無事,転院先で治療が行われ,回復した.


高K血症の心電図は,テント状T波やQRS幅拡大、P波消失がみられますが,時に「何が何だかわからない」心電図になることがあります.
これをBizarre appearanceといいます.
なので,「読めない心電図をみたら高K血症を疑え」なのです.
このパールに救われたことが何回かあります.

以下,ネットで拾ったBizarre appearanceです.
どれも高K血症です.
まさに「読めない心電図をみたら高K血症を疑え」です.