2018年6月26日火曜日

家庭医の専門性について


プライベートで様々なことがあり、ライフイベントを乗り越えるのに全精力を投入していたため、ブログの更新が途絶えていました。

先日、ひょんなことからこのブログの読者の方と出会い、更新する意欲が湧きましたので、少し衣替えをしてまた新たに再開します。


Facebookで藤沼康樹先生が

卓越した家庭医(プライマリ・ケア担当総合診療医)こそが対応できる外来(部分的には在宅)診療対象、すなわちExpert generalist practiceのdistinctiveな対象(Cases)

として以下の5つを挙げていました。

1.未分化な健康問題の相談で来院する外来患者(非選択的初診外来患者)
2.病態生理学的臨床推論に適さない健康問題をもつ患者(例えばいくつかの健康問題の累積により顕在化した高齢者の健康問題)
3.多疾患併存慢性疾患患者(Multimorbidity)
4.心理社会経済倫理的複雑事例(Complex~Chaotic patient)
5.下降期慢性疾患患者(慢性疾患を持つ人の,身体的状態が不可逆的に進行し,安定した維持や回復がみこめない状態を生きる患者)

まさに我が意を得たり!です。
これなんですよね。私はこの1-5を診るのが楽しくて家庭医療をしています。
家庭医療の外来でこそ有効に取り扱う事が出来る問題群だし、それぞれの項目でしっかり論文と成書に基づいた学習を行う事が、経験の浅い初学者でも自信を持って自分は家庭医であると胸を張れるための方略であると考えます。

この5項目を取り扱う外来診療と、総合病棟診療をハイブリッドさせたものが、日本の総合診療医なのだと思います。