地域住民の方々を対象に,「元気で長生きする秘訣」というテーマでお話しさせていただくことになりました.
心根がねじ曲がっているので,ちょっと変わった健康講話を計画しております.
現在絶賛作成中ですが,いまのところ予定しているツカミの部分をこちらに転載いたします.
この本を参考にしました.世界医師会長Sir Michael Marmotの著書です.
心意気が伝わってきます.胸を熱く奮い立たせてくれる本です.
1999年,イギリス主席医務官が
健康になるための10のポイントを発表しました.
この手のリストは世界中どこにでもあるものです.
1.禁煙しましょう
2.果物野菜中心にバランスの良い食事を
3.運動しましょう
4.ストレスを避けリラック…スする時間を
5.お酒はほどほどに
6.直射日光は避けましょう
7.安全な性交渉を
8.がん検診を受けましょう
9.安全運転を心がけて
10.心肺蘇生を習いましょう
(注:わかりやすさ重視で意訳しています.以下同様)
この提言について,Sir Michael Marmotはこのように述べています.
このリストは素晴らしい
健全な科学に基づいている
そして,心底どうでもいい
(注:わかりやすさ重視で意訳しています.以下同様)
この提言を見た人は,きっとこう考えるはずです.
今すごいストレスを抱えているけど,
ちゃんとリラックスする時間をとったから問題ないね.
(注:わかりやすさ重視で以下同様)
…痛烈な風刺,皮肉ですよね.読んでいるこっちが心配になります.
じゃあMarmotさん,どんなリストがいいんですか?
ということで,お勧めしているのがこちら.
ブリストール大学デイビッド・ゴートン作
本当に健康になるための10のポイント
1.貧しくなるな
2.貧困地域から引っ越しましょう
3.障害者になるな
4.ストレスの多い低賃金の仕事に就くな
5.ホームレスになるな
6.社会的な活動に参加しましょう
7.ひとり親になるな
8.あらゆる権利を行使しましょう
9.マイカーを持てるようになりましょう
10.いい教育を受けて勝ち組になりましょう
(注:以下同様)
Marmotはこう述べています.
このリストは健全すぎる科学に基づいている.
ここからわかることは以下の一点だ.
何が健康に悪いか分かっていても,自分でできることはほとんどない.
(注:同様)
こんな刺激的な文章で始まる第2章のタイトルは
Whose Responsibility?
健康はだれの責任か?
今日の健康講話では,皆さんが健康で長生きするのはだれの責任かについて考えていきます.
と,こんなツカミで話をしようとおもいます.
誤解を与えないように注意して,本当の健康は何か,考える機会になれば.