原著論文がSTFMの雑誌PRiMERから出版されました。
Assessing Social Circumstances in Primary Care: Expert Consensus via Delphi Technique
以前より、社会的バイタルサインという考え方を用いて、患者の社会的背景の聴取、評価をしてみてはどうか、という提案を各媒体でしております。
その際に、「HEALTH+P」という略語を使って、聴取すべき項目を提案しておりました。ですが、この項目は臨床上の経験をもとに定めたもので、科学的な妥当性がないことが課題になっていました。
そこで、デルファイ法という方法を用いて、当事者を含む多様な意見を集約し、新しいHEALTH +Pを策定しました。
新しい項目は以下の通りです。
Human network and relationships 人間関係
Economic condition and Employment 経済状況、仕事
Access to health care and other service ヘルスケア、その他サービスへのアクセス
Living a daily life and Leisure time 日常生活、余暇、楽しみ
Total physiological needs, Tool and Technology 衣食住、車や携帯電話などの生活ツール
History of the patient's life 生活史(小児期の経験や教育環境を含む)
Patient's Preference and values 価値観
すでに旧来のHEALTH+Pを臨床でお使いいただいている場合は、そのままで問題ないと思います。そもそも、完全なSDHスクリーニングは原理上ありえませんので。
もし、新たに項目を使った診療を考えていたり、論文等で使用したりするときには、こちらを利用していただくこともできるかと思います。